とっておきのワンシーン
作品紹介

─ “思いやりの原点”って何だと思われますか? ───

思いやりの原点は共感。
相手に関心を持ち
相手の話や状況に共感することができれば、
相手の話や状況が自分のことのように感じられ、考えられ・・・、
自分が言って欲しいことや、自分もして欲しいことを、
言ったり、して差し上げたりできるんですね。

これからご覧頂くワンシーンに、皆さんは共感されるでしょうか・・・。
この作品紹介コーナーでは、最新の公募作品を紹介させて頂きます。

─ 第59回とっておきのワンシーン入賞作品の紹介 ───


笑顔の魔法

「笑顔の魔法」

新潟県 R・K(学生 10代)

 表情が固く、不愛想で気持ちが読めず怖い。私はよく周りからそう言われて中学時代を過ごしました。そんな私にも友達は居ましたが、時々自分の表情を指摘されました。何故上手く笑えないのかな。そう思っても変える事は出来ませんでした。
 高校に上がり、誰も私の事を知らない環境に置かれても、私は人に笑顔で接する事は出来ませんでした。誰とも気軽に話せず二週間が過ぎた頃、私を変える出来事がありました。
 「お菓子食べる?」と、クラスメイトの子が笑顔で真っ直ぐ私に話しかけてきました。話かけてきた子は私に怖がる事なく踏み込んで来ました。その時、私は嬉しくて高校で初めて心から笑顔になれました。先入観なく笑顔で話しかけられる事が、こんなにも人の心を温めるものとは知りませんでした。
 この出来事があり、私は人と話す時や話を聞く時、笑顔で居られるようになりました。きっと私は、自分自身を先入観有で見ていたのだと思います。自分は笑えないと。きっと心のどこかで決めつけて、笑顔にさせないようにしていたのでしょう。その先入観を取り払ってくれた子の何気ない一言と笑顔が、私のとっておきのワンシーンです。