とっておきのワンシーン
作品紹介

─ “思いやりの原点”って何だと思われますか? ───

思いやりの原点は共感。
相手に関心を持ち
相手の話や状況に共感することができれば、
相手の話や状況が自分のことのように感じられ、考えられ・・・、
自分が言って欲しいことや、自分もして欲しいことを、
言ったり、して差し上げたりできるんですね。

これからご覧頂くワンシーンに、皆さんは共感されるでしょうか・・・。
この作品紹介コーナーでは、最新の公募作品を紹介させて頂きます。

─ 第64回とっておきのワンシーン入賞作品の紹介 ───


かわいくなっていく

「かわいくなっていく」

岩手県 I・S(会社員 60代)

 生後2か月の検診で息子がダウン症であると告げられました。多くの場合は知的障害を伴うとも言われ私は強くショックを受けました。
看護師さんが「ダウン症のお子さんはかわいいですよ」と声をかけてくれましたが素直に聞き入れることはできませんでした。
親に言えない…と悩んでいる私を尻目に夫はすぐさま実家に電話。「剛志ダウン症だって」と報告。ダウン症って何?と聞かれた夫は「かわいい子がなる病気だって」と答えました。なんてすごい人なんだ!!私は衝撃を受けました。
 なのに私はそれからも毎日泣いてばかり。合併症が心配される心臓疾患もなく知的障害もその時点では何もわからないのに、なぜ泣いているんだろうと自分でも不思議でした。
今になって思えば障害児になるであろう子を生んでしまった自分が嫌だったのだとわかります。やなやつ〜。
 その後息子は無事に退院。夫は息子をあやしながら「病状が悪化してどんどんかわいくなっていく〜!!」と叫んでいました。
なっ、なんてかっこいいんだ〜!!!なんてかっこ悪いんだ自分!!!激しく衝撃を受けたワンシーンでした。