とっておきのワンシーン
作品紹介

─ “思いやりの原点”って何だと思われますか? ───

思いやりの原点は共感。
相手に関心を持ち
相手の話や状況に共感することができれば、
相手の話や状況が自分のことのように感じられ、考えられ・・・、
自分が言って欲しいことや、自分もして欲しいことを、
言ったり、して差し上げたりできるんですね。

これからご覧頂くワンシーンに、皆さんは共感されるでしょうか・・・。
この作品紹介コーナーでは、最新の公募作品を紹介させて頂きます。

─ 第62回とっておきのワンシーン入賞作品の紹介 ───


自分の武器とは

「自分の武器とは」

新潟県 A・K(学生 10代)

 私のとっておきのワンシーンは、中学の部活です。
 私は中学では卓球部でした。しかし、部活内では上達が遅く、始めの頃は一番下手でした。友達と一緒だから楽しく続けられていました。
ですが、私が上達していっても周りもそれ以上に上達していって差がひらいていくことにあせりを感じていました。そして、自分の武器も見つけられないまま時間が過ぎていきました。
 卓球部にはコーチがいました。週に2回程のペースで教えに来てもらっていました。コーチには基礎から色々と教えてもらいました。
しかし、他の人との実力の差がひらくごとに実力のある人達が期待されていくことにくやしさを感じていました。大会でも、緊張に弱くてボロボロに負けることがあたりまえになってしまっていました。
後輩に良いところを見せたいと思ってもうまくいかず、後輩にも負けてしまい、卓球が嫌になる時期がありました。
 しかし、練習していく中で、スマッシュという技を教えてもらう日がありました。この技は、コーチにほめてもらえて、自分の武器を初めて見つけれた瞬間でした。
 卓球を続けてきて、周りに次第においていかれる日々はとてもつらかったです。しかし、コーチにほめてもらった上で見つけることのできた武器でとても良い気分でした。試合の中で発揮できる数はとても少なかったです。
負けることも変えられずにいました。ですが、試合の勝敗よりも、一つの試合で良いプレーを残すことの大切さに気づくことができました。
 私は、その試合の中でのスマッシュをきめれたところがとっておきのワンシーンです。