とっておきのワンシーン
作品紹介

─ “思いやりの原点”って何だと思われますか? ───

思いやりの原点は共感。
相手に関心を持ち
相手の話や状況に共感することができれば、
相手の話や状況が自分のことのように感じられ、考えられ・・・、
自分が言って欲しいことや、自分もして欲しいことを、
言ったり、して差し上げたりできるんですね。

これからご覧頂くワンシーンに、皆さんは共感されるでしょうか・・・。
この作品紹介コーナーでは、最新の公募作品を紹介させて頂きます。
皆さんもブックマークを付け、時々お立ち寄り下さい。

─ 第62回とっておきのワンシーン入賞作品の紹介 ───


喜びの共有

「喜びの共有」

新潟県 A・K(学生 10代)

 私は保育園の頃からの友人がいる。高校も同じ学校で、クラスは違ったが、登下校の時や学校内で会ったときはよく話していた。
 高校二年の秋頃。電車のホームでその友人と電車を待っている際に、
「私、生徒会長に立候補するんだよね」
と言われた。最初は驚いたが彼女が今まで生徒会の仕事で忙しくしていたのは知っていたし立候補するのなら応援したいと思った。 話をしていくうちに、対抗者がいるので演説に力を入れないといけないこと、そして今、推薦者として演説する人のあてがいないことを聞かされた。
例年、生徒会役員以外の推薦者があまりいなく、私も生徒会には入っていなかったのだが、
「私が推薦者になるよ!」
と彼女に伝えた。彼女の力になりたかったのだ。演説するということはつまり、全校生徒から注目されて目立つということだ。 もともと目立つことや人前に立つが苦手だった私なのだが、友人の為ならと勇気を振り絞り演説の為、日々練習し続けた。
 演説の当日、順番的に一番最初に演説することになってしまった。とても緊張したが、無事終わらせられた。
次の日、無事開票が終わり、生徒会長に当選した人が発表された。私の友人は無事当選した!その時の感動と喜びは忘れられない。自分のことのように嬉しかったのを覚えている。 人の為に苦手なことも挑戦する大切さや喜びの共有を知れた、この経験が私のとっておきのワンシーンです。