とっておきのワンシーン
作品紹介

─ “思いやりの原点”って何だと思われますか? ───

思いやりの原点は共感。
相手に関心を持ち
相手の話や状況に共感することができれば、
相手の話や状況が自分のことのように感じられ、考えられ・・・、
自分が言って欲しいことや、自分もして欲しいことを、
言ったり、して差し上げたりできるんですね。

これからご覧頂くワンシーンに、皆さんは共感されるでしょうか・・・。
この作品紹介コーナーでは、最新の公募作品を紹介させて頂きます。

─ 第53回とっておきのワンシーン入賞作品の紹介 ───


私の先生

「私の先生」

新潟県 R・K(学生 10代)

 今年の三月一日、私は高校を卒業した。
 しかし、卒業できたのは奇跡みたいなことで、あと一度でも欠席したら単位を落とす授業も中にはあるぐらい出席数がギリギリだった。そんな私が卒業できたのも、全て担任の先生のおかげだ。
 高校二年生の冬、その頃の私はとにかく生きることが苦痛で仕方なかった。心に大きな穴が開いてるみたいで、自分の居場所が家にも学校にも、どこにも無いように感じて学校に行けなかったり、死にたいと泣いていて苦しんでいた私を先生が救ってくれた。
 三年生になり、進路で忙しい時期も放課後に時間を作って先生は話を聞いてくれたし、私が授業を抜け出して保健室で泣いているときは授業終わりにいつも来てくれた。
 言っても何も分かってくれないからと親には自分が悩んでいることは隠していた。でも、私の心がボロボロな状態だったことから、先生は私が悩んでいることを親に伝えた。それ以降から親に弱いところを見られたくなくてつい突っぱねてしまい、何度も衝突して傷ついて、数えきれないほど泣いた。でも、そのままずっと隠し続けていたらいつか親との関係に亀裂が生まれて、一生分かり合えなくなってしまっていたと思う。
 「自分が幸せになるために周りを幸せにしてやれ。君達が笑顔で過ごせたら、君達の周りの大切な人達が笑顔になってくれるから。そして自分が亡くなる時に『良い人生だった!』と思える人生にしろ」
 これは卒業式後のHRでの先生の言葉。私はきっと先生がいなかったら生きることを途中で諦めてしまっていたと思う。だから、先生が私を助けてくれたように、私も周りの大切な人の力になって助けたい。

 もう何十年も先、命が尽きるときに、
「良い人生だった」
と、胸を張って言いたい。