とっておきのワンシーン
作品紹介

─ “思いやりの原点”って何だと思われますか? ───

思いやりの原点は共感。
相手に関心を持ち
相手の話や状況に共感することができれば、
相手の話や状況が自分のことのように感じられ、考えられ・・・、
自分が言って欲しいことや、自分もして欲しいことを、
言ったり、して差し上げたりできるんですね。

これからご覧頂くワンシーンに、皆さんは共感されるでしょうか・・・。
この作品紹介コーナーでは、最新の公募作品を紹介させて頂きます。

─ 第53回とっておきのワンシーン入賞作品の紹介 ───


大好きな耳そうじ

「大好きな耳そうじ」

徳島県 R・M(主婦 40代)

 私は耳そうじが大好きです。自分の耳そうじはもちろんですが、人の耳をそうじするのも大好きです。草抜きとか、部屋のテレビ台の下の掃除とか、小さな達成感が大好きなんです。
 昔から夢は変わらずお母さんになることでした。お母さん、とは母親という意味だけじゃなく、夫から「おーい、母さん」とか呼ばれちゃうようないい妻になりたかったし、父母から「すっかりお母さんだな」とか認めてほしくて。
 幸運にも無事お母さんと呼ばれる立場になりまして、日常生活のひそかな楽しみが自分の耳そうじから、家族の耳そうじに変わりました。夫や息子をひざ枕しながら耳かきを操るのが至福の時です。思いがけず大物をつかまえた時とか、他の人が見たらきっと笑っちゃうぐらい大喜びしちゃってます。だって、本当に嬉しいんです。こんなちっぽけでくだらない大喜びの為に、ずっと頑張ってきたんですから。
 何げない日常生活の一つ一つが、自分を心からほっこりさせてくれる、大切な大切な幸せの種です。これからもずっとずっと、息子が大人になっても、私が百歳になっても、家族の耳そうじをしていたいです。
 でも最近、夫も息子も自分で耳そうじする楽しさに気付いてしまって、なかなか私にさせてくれないんです。それもまた、大切な幸せのヒトコマなんですけどね。