とっておきのワンシーン
作品紹介

─ “思いやりの原点”って何だと思われますか? ───

思いやりの原点は共感。
相手に関心を持ち
相手の話や状況に共感することができれば、
相手の話や状況が自分のことのように感じられ、考えられ・・・、
自分が言って欲しいことや、自分もして欲しいことを、
言ったり、して差し上げたりできるんですね。

これからご覧頂くワンシーンに、皆さんは共感されるでしょうか・・・。
この作品紹介コーナーでは、最新の公募作品を紹介させて頂きます。

─ 第53回とっておきのワンシーン入賞作品の紹介 ───


自分から動くということ

「自分から動くということ」

新潟県 M・S(学生 10代)

 私は高校一、二年生の時、友達がほんの数人しかおらず、誰とも会話しない日があるほどの陰気な性格だった。
 二年生の秋、私はそのことを同じクラスの幼馴染みの女の子に話した。彼女は友達がたくさんいて、オシャレで、人当たりがよかった。そんな彼女に、「自分から動かないと何も変わらないよ」そう言われた。自分から話しかけにいくことはもちろんあった。でも、なかなか上手くいかなかったのはなぜだろう。私は自分の暗い性格と見た目を短所として挙げた。その時初めて、変わろうと思った。
 冬、生徒会の選挙が終わって、あの幼馴染は生徒会長になった。そして生徒会役員を決めるホームルームで、私は立候補した。彼女が生徒会長だからなのではない。変わりたいからだった。
 生徒会に入ってからは、自分の意見を積極的に言い、質問し、外見の面では、時々メイクしたり、なかった前髪を作った。
 そうして三年生、この生徒会での最初で最後の体育祭。開会宣言をした。とても緊張したが、生徒会の皆がいた。他人からしたらたかが開会宣言だろう、それでも私にとっては大事な大事な一瞬、ワンシーンだった。
 人は簡単に変われないと言うが、私は動かない人の言い訳だと思っている。少しずつでも人は変わることができるし、目に見える変化がなくとも心は変化している。あの時変わろうと思えたおかげで、私は三年生の一年間とても充実した学校生活を送ることができた。
幼馴染みに言われた言葉を、今では本当の意味で理解できた気がする。